早紀江さん「気持ちの整理つかず」 関係者悼む

 

 どんなにか、無念かをご察し致します。

心からの ご冥福を お祈りいたします。

 

娘のめぐみさんが拉致された日に記者会見する横田滋さん(右)、早紀江さん夫妻(2017年11月、川崎市) 早紀江さん「気持ちの整理つかず」 関係者悼む
早紀江さん「気持ちの整理つかず」 関係者悼む 娘のめぐみさんが拉致された日に記者会見する横田滋さん(右)、早紀江さん夫妻(2017年11月、川崎市)

                    2020 06 06  日本経済新聞

 北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん(失踪当時13)の母、横田早紀江さん(84)は5日、「北朝鮮に拉致されためぐみを取り戻すために主人と2人で頑張ってきましたが、主人はめぐみに会えることなく力尽き、今は気持ちの整理がつかない状態です」とのコメントを出した。

横田滋さんと活動をともにしてきた関係者は娘との再会を果たせなかった無念を思い、言葉を失った。

拉致被害者、田口八重子さん(失踪当時22)の兄で、横田さんから家族会代表を引き継いだ飯塚繁雄さん(81)は「仲間がまた一人居なくなった。一緒に頑張ってきた(妻の)早紀江さんを思うと気の毒でならない」と悼んだ。そのうえで「家族の高齢化は止められない。一刻も早く拉致問題の解決に向けて動いてほしい」と国に求めた。

 

 「横田夫妻が訴えかけた力が国民に響いたからこそ、(一部被害者の)帰国につながった」と話すのは、増元るみ子さん(失踪当時24)の弟で、家族会の元事務局長、増元照明さん(64)。長年、家族会の先頭に立って懸命に活動を続けた横田さんを思い、「言葉にならない。被害者を取り戻すまで活動を続けていきたい」と力を込めた。

有本恵子さん(失踪当時23)の父、明弘さん(91)は「家族会を引っ張ってくれた。誠実な横田さんがいたからこそ、活動を続けられた。一番感謝している」と振り返った。自身も2月に妻の嘉代子さんを失ったばかり。「寂しいが(滋さんの)思いを尊重して頑張り続けたい」と話した。

拉致被害者の支援組織「救う会」の会長、西岡力さんは「(横田さんは)めぐみさんの実名を公表し、拉致問題を広く世に知らしめた功績は計り知れない。(横田さんとともに運動を始めた)1997年から歩みをともにしてきた。めぐみさんとの再会を果たせず、痛恨の思い。本当に申し訳なく思う」と話した。

救う会によると、葬儀終了後に遺族が記者会見を開く。