熊本地震から2年‼ 復興一歩ずつ 熊本城、工事も見せる。

 恐ろしき巨大(連続)地震‼

 強固と云われた熊本城をも……

 熊本城 制震ダンパー を採用し耐震化の強化を図る

 2度の激震が襲った熊本地震から14日で2年となり

 熊本城修復 着実に‼

 しかし、「膨大なお金と労力がかかる事業ですね……」

 天守閣全体の復旧完了は、熊本地震から5年後の2021年春ごろの予定。

                         日本経済新聞 電子版

 熊本のシンボル、熊本城大天守の復旧工事が急ピッチで進んでいる。熊本地震で約7000枚の屋根瓦が滑り落ちた最上部は銀色に輝く新たな瓦にふき替えられ、高さ1.2メートルのしゃちほこを据え付ける工事が始まった。側面は工事用の足場とカバーで覆われているが、上から徐々に取り除かれ2019年秋ごろに再建された全体像が姿を現す。

20180414多くの観光客でにぎわう熊本城jpg
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201804地震直後の益城町(写真上)と、復旧工事が進み更地が目立つ現在.jpg
201804地震直後の益城町(写真上)と、復旧工事が進み更地が目立つ現在.jpg
201804 熊本地震のインフラ復興状況.jpg
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修復作業中の熊本城を背に記念写真に納まる観光客
修復作業中の熊本城を背に記念写真に納まる観光客
2016年5月熊本地震の影響で大きな被害を受けた熊本城の大天守.jpg
2016年5月熊本地震の影響で大きな被害を受けた熊本城の大天守.jpg
2016年5月熊本地震で大きな被害を受けた熊本城.jpg
2016年5月熊本地震で大きな被害を受けた熊本城.jpg
規模な土砂崩れで寸断された国道57号の復旧作業が進む(熊本県南阿蘇村).jpg
規模な土砂崩れで寸断された国道57号の復旧作業が進む(熊本県南阿蘇村).jpg

 「膨大なお金と労力がかかる事業ですね……」4月上旬、タイから見学に来たダヌサッド・タウェウォットさん(50)は、工事が進む大天守を目の当たりにして感嘆した。城の損壊は熊本観光にとって大きな痛手だが、「復旧の様子は今しか見られない」(大西一史・熊本市長)。逆境を前向きにとらえ、復旧の過程を見せ人を呼び込もうとしている。

 近くの「桜の馬場城彩苑」にある「熊本城ミュージアム わくわく座」の中央には、熊本城が被災・損壊する様子を最新の映像技術で表現した模型を用意。「潜入大作戦」と銘打ち、定点カメラで内部の様子も公開している。

 復旧工事では、制震ダンパーなど先端技術を採り入れて耐震性能を高め、エレベーターも備え付ける。21年春ごろから内部を見学できる見通しだ。

 わくわく座では、1万円以上を寄付した人に城主証と手形を発行し「復興城主」の申し込みを受け付けている。熊本城の復活を願う国内外の人からの申し込みは4月12日時点で8万8791件集まり、寄付は16億4146万円に上る。

 復旧・復興に向けた一連の努力もあり観光客数は回復傾向。「城彩苑」の17年の来客数は119万人と前の年を25%上回った。震災前よりも17%多い水準だ。

 交通インフラも徐々に復旧。寸断された熊本市と阿蘇地方を東西に結ぶ幹線国道57号は迂回路の整備が進む。崩落した阿蘇大橋のすぐ南側では、深い谷をまたぐ長陽大橋が復活。乗用車やトラックがひっきりなしに行き交う。その南では、損壊した俵山トンネルを修復した上で農道を拡幅した迂回路があり急カーブを減らす工事が進展している。

 北側では、清水建設安藤ハザマなどが最先端の技術を駆使して阿蘇山の外輪山の下を貫く二重峠トンネルを掘り進める。

 肥後大津(熊本県大津町)―阿蘇(同県阿蘇市)間で運休が続くJR豊肥線は、まだ全線復旧が見通せていない。同区間で被害に遭った駅や橋、トンネルなどの施設は50カ所に上るが、復旧工事が始まったのは4割ほどにとどまっている。

 一時、全線が不通となり、今も一部不通が続く南阿蘇鉄道の工事は3月に始まった。九州新幹線が走る熊本駅や熊本空港からの観光客が阿蘇方面にアクセスしやすくするため、立野駅で接続するJR豊肥線と全線復旧以降に乗り入れる構想も浮上している。南阿蘇鉄道は「JR九州に今後協議を申し入れたい」としている。