メキシコ地震、救出続く 校舎に女児、死者230人

【メキシコシティ=共同】メキシコ中部で19日に起きたマグニチュード(M)7.1の地震で、同国当局は20日、各地で行方不明者の捜索を続けた。校舎が崩壊した首都メキシコシティ南部の学校では、がれきに閉じ込められた女児の生存が確認され、救助隊員らが救出作業に全力を挙げた。

 当局によると、地震の死者は230人となった。メキシコのペニャニエト大統領は20日、3日間の国民の服喪を宣言した。

 ロイター通信によると、女児は12歳。わずかな隙間から救助隊員と話ができる状態だが、狭い場所に挟まっているとみられ救出は難航している。水を飲みたいと訴えたため、ホースで水を与えたという。

 現場には救急車やストレッチャーが用意され、ボランティアがチェーンソーなどの工具を持ってくるよう指示を受けていた。

 生存率が急速に低下するとされる「発生後72時間」を前に、各国の救助チームも続々と現地入りするなど支援も本格化。ペニャニエト氏は20日、日本や米国、イスラエルなどの救助チームを受け入れたと表明した。エルサルバドル、パナマのチームは既に現地入り。日本の救助チームは現地時間21日に到着する予定。

 

【メキシコシティ=丸山修一】ブリヂストンは乗用車用タイヤを生産するモレロス州の工場で壁が剥がれるなどの被害が出た。安全確認のため操業を一時停止しており、当日中の再開を目指す。

 メキシコシティ市内にある日産自動車の現地法人本社と同市南に位置するクエルナバカの工場では揺れを確認したため、操業を止めて従業員らを帰宅させたという。人的被害は確認していない。同国中部サラマンカに年産25万台規模の工場を持つマツダは「被害報告はない」としている。同国で四輪車や二輪車を生産するホンダも「自社工場や従業員に被害はなく、稼働を続けている」と説明している。

 メキシコでは7日にも南部オアハカ州を中心に死者98人を出す大地震が発生したばかり。メキシコ地震当局は今回の地震について、7日に発生した地震とは無関係としている。

 19日は1985年に約1万人の死亡者を出した大地震から32年を迎える当日で、政府による追悼式のほか全国各地で避難訓練が実施されていた。